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青春

ブログ2020.11.27

「不安」の感情は私の思いを超えて私にはたらく、私を呼び戻す呼びかけです。

          尾畑文正

昨日も書いたのだけど、「友達」ということを一昨日考えさせられて、その際に中村雅俊の「青春貴族」という曲が頭に浮かび、それを昨日久々に聴いた。

で、まだそれが引きずられているのだな。

よくよく聴いてみると、いいなぁ、と思えてしまう。
当時は、こんなお友達SONGなんざ!って、オレは矢沢だ!、ダウンタウン(漫才ではなく宇崎竜童の方です)だ!って、ちょいと斜に構えて興味ないふりをしながらも、実は詞にも曲調にもアレンジにもシンパシーを感じていたな、とそんなことを思い出した。

それで、数回聴いてみたけど、詞がいいなぁ、いまだからこそこうあってほしいなぁ若い人たちに、そんな気にさせられた。

青春貴族   
       歌:中村雅俊
       作詞:山川啓介
       作曲:いずみたく

いちばん大事なものは 何?
きまっているよ 友達さ
いちばん嫌いなものは 何?
おあいにくさま 勉強さ

頭のできは よくないが
心のできは 最高さ
根っから気のいい やつばかり
青春貴族だ おれたちは

いちばんうれしい時は いつ?
あの娘と二人でいる時さ
いちばん悲しい時は いつ?
あいつとケンカをした時さ

難かしいことは 知らないが
若さが何かを 知っている
のんびり自由な やつばかり
青春貴族だ おれたちは

これからお前はどこへ行く?
誰も行かないとこまでさ
これからお前は何をする?
自分じゃなければできないことさ

今はビリで いるけれど
十年さきは 先頭さ
ハートがでっかいやつばかり
青春貴族だ おれたちは
青春貴族だ おれたちは
青春貴族だ おれたちは

こんなふうな学校生活に憧れることができたゆるい時代だったんだなと。

中高生でこんな世界に憧れるってことは、まんざらできないこともない、単なる幻想の世界ではないと思えたんだよね。

いちばん大事なのが友達
みんな気のいいやつばっか
みんなハートのでっかいやつ
自分の夢は夢として持てる時代
いまよりも、多分将来の夢を夢として語れた、現実はどこかで見えているんだけど、夢を夢として語っても許される世界だった気がする。

いまはどうなんだろう。

この詞を読んでみて、いまの中学生や高校生はどんな風に思うのかな?、っと思った。

懐古的で申し訳ないが、中学・高校と、一から十までとはいかないが、こんな雰囲気がどこかにあったことも確かだ。

ま、自分がいた場所がたまたまそうだったのかもしれないけど。

だから、「黒く塗りつぶせ」「鎖を引くちぎれ」なんかを聞きながら、「イメージの詩」「人間なんて」なんかを聞きながら、「サクセス」「裏切り者の旅」なんかを聞きながら、「雨あがりの夜空に」「甲州街道はもう秋なのさ」なんかを聞きながら、自分では表現のできない感情を吐き出してくれるアーティストにバリバリ感銘しのめり込みんでいたのだけれど、気がつくとこんなクラス対抗合唱コンクールで選曲されるような曲にじつは憧れてもいたのだなと。

今の子供達のことはまったくわからない。

自分がガキだった頃が良くて、いまが悪いなんて、そんな比較もする気もないし、そんなふうにもまったく思わない。

ただ、今の子供達は、こんな詞を読んでみて、曲を聞いてみて、どんなことを感じるのだろうと、ま、単なる興味だ。

なんかさ、この詞を読んでいると、なんも答えがないんだよね。

押し付けもない。

難しいことはわからない。
誰もいかないところ。
自分でなければできないこと。

いまでも、これらは答えが見つからないな、オレは。

何よりもいちばん大事なものがわからない。

不安な時代だよね、ますます。

若い頃はね、それが何かはわからないけれど、なんとなくそれが見えていたような気がしていた。
ま、とんだ勘違いの幻想だったのだけれどね、進む道が見えていると思いこんでいた事自体が。
でも、なんか、若さの特権というか、「まちがいない!こっちっだ!」って。

全員が全員ではないのだろうけど、最近のニュースや、若者同士の話や、誰か有名人に相談するなんて番組とか、そんなのを聞いているとさ、そんな若さゆえの特権すら許されなく成っているのか?と、思えてしまうことが有る。

わからない。しらない。できない。
それを言った瞬間、そこのカテゴリからはぶかれる。
賢くなくては生きていてはならない。
そんなプレッシャーに押しつぶされそうになってはいないかい?

わからないのが当たり前。
しらないから気付ける。
できないからこそ次に進める。

そんなゆるさは必要ないのかな。

時代時代で、
年齢で、
住む世界で、
価値観はもちろん違う。

でもさ、なんか、自分の狭い価値観で、今の若者んことなんざまったくわからないくせにおこがましいけどさ、若い時だからこそ「べつにそれでいいんだよ」ていい意味で許される世界があると思う。

それは大事にしてほしいなと。

同じ中村雅俊の歌で「青春試考」って歌がある。
その歌の「サビ」の詞

わかるかい 俺たちは誰も
青春に背中を向けて 生きてゆけない

わかるかい 俺たちは誰も
青春に裁かれる 日がきっとくるだろう

ま、青春って言葉自体が最近ではあまり使わないのかな?

でもさ、やっぱ自分なんかも、「なんだよ青春って?ケッ!」って過ごしていたけど、あったんだなぁ、それなりに青春って青臭い春がさ。
で、それで、そいつを未だに背負っているし、ある意味、おりおりで裁かれているよね。

今日は、ちょっと、年寄の世迷い言。

うるせぇジジィの戯言。

でも、10代、20代でさ、万が一、なんか不安を覚えたり、悩んだり、何かわからないけど悔しくて涙が流れたりしたらさ、それ、青春してんだと思うよ。
大事にしてよ、君の青春を。

 

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