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第55回 出石寺の「清凉寺式釈迦如来坐像」

田中ひろみの今月の仏像2022.04.18

愛媛県大洲市の出石寺は、四国別格二十霊場の第7番札所で、出石山の山頂にあるお寺です。御本尊は秘仏の千手観音像で、脇侍が、阿弥陀如来と釈迦如来。菩薩の脇侍が、如来というのは不思議。厨子に向かって右側の釈迦如来坐像は、ヘアースタイルがパンチパーマのようなつぶつぶの「螺髪」ではなく、編んだ縄のようにぐるぐると渦を巻いています。衣は両肩を覆う「通肩」で、京都の嵯峨野の清凉寺の釈迦如来像とそっくりな「清凉寺式釈迦如来像」です。立っている「清凉寺式釈迦如来像」は時々見かけるが、座っている像はとても珍しい。愛媛県指定文化財で、寄木造りの玉眼、漆箔、鎌倉時代作、像高87.5cm。とても整った美しいお顔をしています。普段は本堂の中には入れないので、外からでは全くお姿が見えないのが残念。でも、ご本尊のご開帳日には、この「清凉寺式釈迦如来像」も遠くから拝めるかも。

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