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第75回 横蔵寺の深沙大将

田中ひろみの今月の仏像2025.08.18

 岐阜県揖斐郡の「横蔵寺」は、最澄が薬師如来を彫って安置して創建した寺とされる歴史のあるお寺。即身仏(ミイラ)が、祀られることでも有名。瑠璃殿(宝物館)には、国指定重要文化財の仏像が22体もあり、「美濃の正倉院」とも呼ばれている。その中の1体で、お腹から人面が出て、腕や足にも蛇を絡ませているとても個性的な深沙大将がいらっしゃる。深沙大将は、西遊記で有名な三蔵法師こと、玄奘三蔵が天竺(インド)に経典を求める旅の途中、砂漠で砂の中から現われて三蔵を守護したといわれる守護神。このお像は、まん丸で飛び出た目に、ぼってりとした鼻。横にまっすぐ広がっている分厚い唇の口。ソフトクリームのようなヘアスタイル。腰には、ふんどしのようなものを巻いている。一度見たら忘れられない、独特な雰囲気を醸し出している大好きな深沙大将だ。

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