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第74回 大覚寺の降三世明王像

田中ひろみの今月の仏像2025.06.22

京都「大覚寺」の仏師明円作の五大明王像のうちの降三世明王像。仏師明円は、京都の貴族の仏像制作を担った円派を代表する仏師。その明円作の仏像で現在も残っているのは、「大覚寺」の五大明王像のみとされ、貴重だ。降三世明王像は、四面八臂(顔が4つ、手が8本)。2本の手の小指を絡めて胸前で交差させた「降三世印」を結び、他の手で弓矢や鉾などの武器を持ち恐い顔をしている。過去・現在・未来の世界にはびこる貪(むさぼり)と、瞋(腹を立てる気持ち)と、痴(愚かな気持ち)の三毒の煩悩を払うとされる。足元を見るとシヴァ神(大自在天)とその妻ウマ-(鳥摩)。いい踏まれっぷりをしている。腰前に巻いている獣皮の顔と手が、かわいらしい。

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