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第53回 願成寺の「会津大仏」

田中ひろみの今月の仏像2021.12.15

福島県喜多方市「願成寺」の阿弥陀如来と脇侍の向かって右の観音菩薩と左の勢至菩薩の三尊は、国重要文化財に指定されている。三尊とも、寄木造りで鎌倉初期の作とされ阿弥陀三尊の坐像では、会津1の大きさだそう。大仏の定義では、立像は約4.8m以上、坐像なら約2.4m以上の仏像を「大仏」とされる。願成寺では、この三尊まとめて、別名「会津大仏」と呼ばれている。阿弥陀如来像は、金堂々とした体で頭上には仏の智恵の光を表わす、赤いたまの「肉髻珠(にっけいしゅ)」がある。観音菩薩は、両手に蓮の台を捧げ宝冠には阿弥陀如来の化仏があり、勢至菩薩は合掌し、宝冠には宝瓶がついている。2体とも正座のような座り方の「大和座(やまとすわり)」で、京都の三千院の阿弥陀三尊像と似ている。極楽浄土に導いてくださりそうな三尊だ。
 

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