四国別格二十霊場の第十九番の香川県高松市「香西寺(こうざいじ)」。境内の毘沙門堂には国の重要文化財に指定されている毘沙門天像が祀られている。この毘沙門天は、香西寺の前身である奈良時代に建立されたという勝賀寺の奥の堂から移されたものと考えられている。ひのきの一本造り、平安時代初期の作。像高101センチ。毘沙門天は、岩座の上に邪鬼を踏み、左手に宝塔を掲げ、右手に三叉戟を持って腰を少し左にひねり左足に重心を置き立っている。顔は四角く、眉根を寄せてつりあげている。目はぱっちりとして大きく、若々しいお顔をしている。踏まれている邪鬼も辛そうではなく、なんだか微笑んでいるようにも見える。