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第71回 淡路国分寺 丈六 釈迦如来坐像

田中ひろみの今月の仏像2025.01.14

淡路島の「淡路国分寺」には、国指定重要文化財で淡路島最大の像高294.8cm(一丈六尺)もある、大きな釈迦如来坐像がいらっしゃる。お寺の拝観時間内なら、拝観料を支払うと拝観でき写真撮影もできるのがありがたい。「国分寺」は、奈良時代(天平時代)の741年(天平13年)に聖武天皇により、日本の各国に仏教による国家鎮護のため「国分寺建立の詔」が発せられて造られた寺院。各国分寺には、「金光明最勝王経」が置かれたので正式名は、「金光明四天王護国之寺」という。「国分寺建立の詔」の前の天平9年(737年)に、釈迦三尊像を置くようにと言う詔も出されていた。その詔どおり、国分寺制度の正式の本尊「丈六 釈迦如来坐像」を今も残る各国分寺の中で唯一残しているのがこの「淡路国分寺」だ。ただ現在の釈迦如来坐像は、天平当初のものでなく後の南北朝時代初めの暦応三年(1340年)に、円派の仏師「命円」によって再建されたお像だ。釈迦如来坐像の周りには、お釈迦さまの弟子である16人の羅漢の「十六羅漢像」が並んでいる。あと、ガラスケースに入った平安時代作とされる像高53.7cmの「飛天坐像』(兵庫県指定重要文化財)も祀られている。両腕は失われているが、楽器演奏か舞の姿を表したと思われるお像。宇治の平等院鳳凰堂「雲中供養菩薩」と似ていて、美しい。

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