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第63回 宝菩提院願徳寺の菩薩半跏像

田中ひろみの今月の仏像2023.08.30

 京都市西京区大原野の「宝菩提院願徳寺」。キャッチフレーズは「京都で一番小さな拝観寺院」。この宝菩提院願徳寺に祀られている「菩薩半跏像(伝如意輪観音)」は、国宝。彩色せずに、木肌を生かした一木造りのお像。お顔は張りがあって若々しくて凛々しい。瞳に黒い珠をいれ、キリッとした目をしている。髪は、複雑に結い上げられ、頭の天冠台の輪から一部の毛を出す。腰に巻く衣が、まるでうごめくような複雑なひだで表されていて、とても美しい。お寺では後ろ姿を見ることはできないが、展覧会で背後から見た時圧倒的な美しさに驚いた。右肩から左腕にかかる細い布の「天衣」と、肩から腰に斜めにかかる細い布の「条帛」が後ろでクロスして、背中の美しさを際立たせている。どの角度から拝観しても、本当に美しいお像だ。

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