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第64回 慈恩寺の弥勒菩薩

田中ひろみの今月の仏像2023.11.04

山形県寒河江市の「慈恩寺」。たくさんの仏像が祀られている古くて大きなお寺。本尊の弥勒菩薩像(重要文化財)は、秘仏で普段は大きな宮殿(厨子)の中に祀れ、ご開帳時しかお姿を拝むことはできない。宮殿内には秘仏本尊の弥勒菩薩像と四尊像のほか文殊菩薩像とその眷属像、普賢菩薩像とその眷属像、さらには如来三尊像、菩薩坐像、二天像、軍荼利明王像、力士立像などが安置されているのだそうだ。弥勒菩薩像と四尊像は、慈恩寺が鎌倉末期に焼失したので、のちの永仁6年(1298年)に法橋寛慶によって造られたお像。弥勒菩薩の像高は98.4cmで素木造。吊り上がった切長の目や衣の彫り方など、宋風彫刻の影響が強く感じられる。高い宝冠には、五智如来が彫られている。クールで美しい仏様だ。
 

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